改正民法のお話し（遺言）

明日は官公庁御用納めですね。年の瀬になり、早めの休暇に入られゆっくりお過ごしの方、日ごろの疲れを癒されていらっしゃる方いろいろと思います。もし、ご実家に帰省されている方で、高齢なご両親（祖父母）がいらっしゃる方は、ひとつまじめな小話で親（祖父母）孝行してみてはでもいかがですか？

平成の末に民法（相続、遺言関係）が約40年ぶりに改正され、施行されましたのは、みなさんご存じのことと思います。

しかし、具体的にどこが、どう改正されたかうろ覚えの方も多いかもしれません。そこで今回は、遺言について改正事項の概要を復習していきたいと思います。

「ねぇねぇ、民法が改正されて遺言を作成しやすくなったって知ってる？」

「知らんけど、心配すんな。そもそもうちには相続するような財産はないよ。」とおっしゃる親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、裁判所のお世話になった相続案件の内、遺産が1000万以下は35％　1000万～5000万は43％で、あわせて5000万円以下が、8割（！）近くを占めます（2020年データ）

これで親御さんも目が覚めるかもしれませんね。財産は無くても、せめて揉めないように準備は必要そうです。

「それじゃ何が変わったんだい？」ということになりますが、大きく改正された自筆証書遺言の方式緩和について、概要をお話したいと思います。

改正前民法では、自筆証書遺言を作成するには、「財産目録を含め」、日付、氏名、全文について全て自書しなければならないという厳格な自書性、要式性が求められていました。

それが・・・

ポイント

①それでも、遺言書本文は「全文自筆」で作成する必要があります。ここは変わっておりません（涙）

以下が、大きく改正されております。

②財産目録を「添付する場合」には、その財産目録についてはワープロ書きで作成してもよいですし、第三者が代筆することでもよいとされました。

さらに、ワープロ打ちや代筆しなくても、不動産の場合は、不動産登記事項証明書の写しを添付して署名押印をすることによって財産目録とすることが可能です。

預貯金の場合は、通帳の写しに、署名押印をした上で財産目録とすることが可能です。

株式の場合は、会社から郵送される議決権行使書等に署名押印をした上で、財産目録とすることが可能です。

以前は、財産目録も手書きだったことを考えると、だいぶ楽になりましたね。

細かいことは省いておりますので、実際に作成される際は、どうぞご相談ください。

では、みなさん良いお年を・・・